STRAY CAT 7

 


 




瑛は容赦なく俺の後ろを開くとなんとそこに指を入れてきた。

「痛ぅ・・ぁ・いたい、やだ、抜け、馬鹿。」

離れようともがく、俺の力はしかし無力で。きついそこを指が犯していく。痛くて、苦しくて気持ち悪くて、力が入る。
そうすると中で動く指の爪の形までが感じられてしまって。
涙が、落ちた。
けど瑛は止まらない。
俺の主張なんて一切無視で中をこじ開けて。
「あぁっ。」
もう一本の指が入り口に隙間を作る。
お湯が、中に入ってきて。

「やぁ、・・お湯。・・熱・・ヤぁッ。」

涙に掠れた哀願、それなのに、

「イイ、の、間違えだろう。」

容赦なく、もう一本。
きつくて、痛くて俺は大きく首を横に振る。
すると、その反動で腰が動いて。
「ぃやぁ。」
指が、変なところに当たる。
「ここか。」
遠くで声が聞こえた。けどそんな事よりも。

「にゃぁ・・ぁ・・あぁ・・ん・・やぁ。」

な、何だよ、これ。
背筋をぞくぞくっとかけ上がる感覚。
強烈なのに、それは病み付きになりそうな刺激で、触られてもいない俺の雄が熱くなるのが分かった。
「ん・・んぅ。」
どうしよう、瑛の指がクイッと曲がってそこを刺激すると、耐えられないような快感が俺を襲う。
怖い。
自分が、自分でなくなってしまうような感覚。

 

やばい、飛びそう。

 

それを自覚した時、俺は冷や水をかけられたようにぞっとした。
だめだ、意識が飛んだら耳と尻尾が出る。誰に教えてもらったわけでもないのに分かって。
俺は意識を保つようにぎゅっと瑛にしがみついた。
「ヨくしてやれば、積極的なわけか、いいだろう。」
え?
瑛が何を言いたいのか、考える間もなかった。

「ぅ。みぃ・・ぁああああ。」

三本、一気に入れられたかと思うと乱暴にかき混ぜられる。
指が内壁を探る感覚と、一緒になって入ってくるお湯の熱さ
慣れる事なんてできない刺激が俺の中を暴れるみたいに流れ込んでくる。
「ぁ・・にゃ・・ぁう・・ふぁ・・ん」
もう、前も、絶頂近い。
やめてくれと、言いたいけれど言葉を口にする理性が残ってなくて。ただ瑛に縋りつく。
「もう、欲しいのか。」
聞かれて、何がかは分からなかった。けれどわけが分からないままに頷く。

指が、抜かれた。
束の間の安堵
でも次の瞬間。

「ゃ。・・ぁ。・・あ、あ。」

熱い、もっと太いものが俺の中をいっぱいにする。
圧倒的な存在が限界を超えて俺を開く、無理に広げられた入り口が痛くて。完全に用量オーバーの圧迫感に口から内臓が出てきそうだ。
けれど、それに慣れる間もなく
「やぁあ。・あ・・にゃ・・ぁああ。」
硬いものが、コリコリとこする、強く内壁に押し付けられる。
気持ちいいより苦しい、瑛自身が俺の内を貫く。
「媚びて見せろ、たっぷり可愛がってやる。」
耳元に、注ぎ込まれる低い声。
その意味すら俺は理解することができなくて
勘弁して欲しかった、もう限界で耐え切れない。
「ん、ん」
激しい律動にお湯の中でふわふわと浮く身体。
「みゅぅぅ。」
俺は目の前の体にしがみつく。
イきたい生理といってはいけない理性。
相反する緊迫感により強くなっていく己のうちの雄。
蹂躙される、屈辱より先に開かれる。
「あ・・ぁあっ」
さっき見つけられたウィークポイントを突かれると、我慢ができなかった。
「後ろだけでそんないいのか?」
揶揄するような意地悪な囁き、
恥ずかしいのに、それを自覚すると余計に快感が強くなる。
「ッ・・・瑛。」
理性が吹き飛んだ。
欲しくて、楽になりたくて。
「と、・・も、・・・と。」
慣れない言葉を唇が勝手に綴る。

「シて。」

生理的な涙で潤んだ目で見つめる。
一瞬だけ、微笑が見えた気がした。
けれど、それを自覚する前に。
一際強く埋め込まれて、同時に注ぎ込まれる感覚。
俺の中で瑛が、びくびくって震えて、ぬるぬるした感覚が伝わってくる。
熱が、俺の熱を解き放って。

「ふ・・ぁあああ。」

達する、開放感。
目も眩むような初めての快感。
同時に、
聴覚が、澄んでいた。
風の音を感じる慣れた耳はピクピクと動いて。
あ、俺・・・出ちゃったんだ。
瑛はまだ気づいていない、達く瞬間、ぎゅっと俺の肩口に顔を埋めたから。けど、
「なかなか、良かったぞ。」
そっと、上げられる顔。
初心者の俺に、こんなに瞬間的に耳と尻尾を隠す余裕はない。
瑛の瞳が、髪と同じ色の俺の耳を捉える。
「お前、」
呆然と、呟いて
「いつの間に。」
俺の中から出て行く、ズルリ、と敏感なそこをなぞる様な感覚に。
「ぁぅ」
声が、殺せない。
悔し紛れに睨みつけると。
「俺は、一応コスプレ趣味はないぞ。」
いつもの鉄面皮で言われて。

「これは生まれつきだ!」

カァッとなった。
叫んで、体の奥の痛みに崩れ落ちる。
すると当然、頭は瑛の方に向かって。
「ぎゃむ。」
痛い、だから耳、引っ張るな。
俺は何とか逃げようと蹲って
「あぶ、う。はっ」
思いっきり、溺れる。
「こら、馬鹿。」
珍しく慌てた、瑛の声。
「風呂で溺れる奴があるか。」
目の前に来た綺麗な顔、目と目があう。
こんな冷たい目、今までされたことなかった。自然シュンと耳が垂れる。
でも悔しいから、目をそらすことだけはしなかった。

 

 

 

 

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